Love Step
「酷なようだけど彼女が起こしたことなんだ 杏梨が気にすることじゃない」



「……峻くんもそう言ってくれたけれど……」



「峻くん?」



なぜ彼がそこで出てくる?



「電話をくれたの……」



ナイスなフォローだな。


まだ彼は杏梨が好きなのだろう。


そうでなければ電話をかけてくるはずがない。



俺は膝立ちで杏梨を抱きしめた。



「もう周りの事は気にしないで、俺だけを見ていて欲しい」



「ゆきちゃん……」



俺の名前を呼んだ杏梨の表情に違和感を感じた。



困惑したような……安堵したような……表情。



そそられる表情だ。



だんだんときれいになっていく。



愛したくなる気持ちがこみ上げ、隣に座ると杏梨の身体を持ち上げ膝の上に乗せるとそっとキスをした。



羽根が触れるみたいに気づかうキスだ。



遼平が施術したくるっと飛び跳ねる髪を撫でる。



本当は遼平にも杏梨の髪は触らせたくなかった。



緊急事態に思わずやらせてしまったが本当は後悔していた。



すぐにでも俺が施術して遼平の作った髪形を変えてしまいたい。



杏梨がかかわると大人気ない俺が出てくる。



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