Love Step
「はい さっきランチから帰って来た琴美さんが言っていました」



あのバカ娘!なぜ守らないんだ!?



雪哉は杏梨に電話をかけた。



無事に戻っているか心配だった。



『ゆきちゃん!?』



驚いた声だった。



「今どこにいる?」



こんな事は聞きたくない。



縛り付けるようで嫌なのだ。



しかし万が一の場合を想像すると聞かずにはいられない。



『え……っと お買い物に……』



「外は暑いから気をつけなさい」



雪哉はそれだけ言うと電話を切った。



そして深いため息を吐きながら携帯電話を閉じる。



「そんなに心配しなくても……」



「今までの事を考えたら心配せずにはいられないんだ」





一方的に切られた杏梨は携帯電話を見つめて首を傾げた。



琴美さんに会ったのがばれちゃってる?


きっとそうだ、怒っているみたいだったもん。


帰ったらちゃんと話そう。


琴美さんは悪い人じゃないって分かってくれるよ。



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