Love Step
* * * * * *



始業式の今日は校庭で校長先生や先生たちの話を聞き、夏休み中に優秀な成績をおさめた運動部を褒め称え、そして風紀の先生が長々と話す。



私服の学校なので風紀は他所の学校よりは厳しくなかったが、夏休みに繁華街で補導された生徒が数人いるらしく、お説教を聞かされるはめになった。



「あ~ もう暑いのに長々と~ しまっちたら頭から湯気出しながら話していたよ」



香澄がぶすぶす文句を言う。



しまっちとは風紀の先生だ。



杏梨も額をハンカチで拭きながら頷く。



腕がかゆいよ。

早くギプス、取って欲しい。



「明日から普通授業ってありえなくない?」



香澄の不服は続く。



「仕方ないよ いつもそうだもん」



なだめるように言うと、香澄が机にうなだれた。



「遼平さんとなかなか会えなくなっちゃう 杏梨は良いな 一緒に住んでいるんだから」



羨ましげに言われて困った。



何と言って良いのか分からなかったからだ。



そこへ担任がやって来てバタバタと生徒が席に着いた。


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