Love Step
* * * * * *



「あ~ さっぱりした~」



タオルを首にかけ、髪の毛からたれる滴を拭きながら冷蔵庫をのぞく。



右手のギプスが取れてお風呂にも入りさっぱりして快適だ。



今日は久しぶりにお料理をしてゆきちゃんを驚かせようっと。



* * * * * *



数種類の料理がテーブルの上に並んで満足していると、玄関が開く音がした。



「お帰りなさ~い」



上機嫌で雪哉を出迎えに行った。



「ただいま ギプス、取れたんだね」



真っ先に分かってくれて杏梨の顔がにっこり満面の笑みになる。



「うん、久しぶりにお料理したから、手を洗ってきてねっ♪」



それだけ言うと、キッチンへと消えた。





「おいしそうだね いただきます」



「うん 食べて食べて」



雪哉が料理に箸をつけるのをニコニコして見ている。



「どう?どう?豚の角煮、圧力釜で煮込んだんだよ?」



箸でつまむと千切れてしまうくらい柔らかい。



「おいしいよ お酒が飲みたくなる」



「あっと……日本酒はないけれどビール飲む?」



ビールが出ていなかったことに気づいてイスから立ち上がる。



「いや、いいんだ 座って 食べ終わったら仕事をしなくてはいけないんだ」



「じゃあ、麦茶入れてくるね」



立ったついでにと、杏梨はキッチンへ行った。



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