空白の玉座


暴れるルシアの首を持って押さえつける。

「言葉遣いに気をつけろ。俺に質問することも拒否することも許さない。奴隷はただ黙って尽くすものだぞ」

手に力を込めるとルシアは口をパクパクして苦しげに喘いだ。

「……ぅ……ゲホッゲホッ…ゲホッ」

手を離すと急に入った空気にむせる。
クラリスは構わずルシアに覆い被さるように寝台へ上がった。

「お前など簡単に殺せる。覚えておけ」

ドレスの胸元の紐を解くと、肩にある袖を滑らせて腕から抜く。
小刻みに震え、体を硬くしながらもルシアは抵抗しなかった。

露わになった肌に唇を寄せながら、「子供のような肌だな」と呟く。

瑞々しい肌を滑るように唇を這わしていると、頭の上から啜り泣く声が聞こえた。
視線を上げると、ルシアは手の甲で目元を覆っていた。

「言っておくが泣く女も嫌いだ。…鳴かせるのは嫌いじゃないがな」

肌に歯を立てる。

「ッ……」

悲鳴のようなルシアの声に、クラリスは鼻で笑った。

「教えることが色々ありそうだ」

ドレスをルシアの体から取り去りながら独り言のように呟いた。





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