空白の玉座



急いで駆けつけると、王の居室の前には宰相のコーアンを始め大臣の数名がもう集まっていた。

「これは、アメリア王妃」

コーアンが恭しく頭を下げる。

「ユリウス様は…」

「…医師3名により確認いたしましたところ、お亡くなりにございます」

ふらつくアメリアをジェイスが支える。
コーアンは沈痛な面持ちで言葉を続けた。

「陛下は医師の見立てによると流行り病で亡くなられたようです。
王族の方は感染を避ける為、お部屋にお戻りください」

視界がぐらつき、コーアンの声がどこか遠くから聞こえるようだった。

「流行り病で死ぬなんて、案外あっけないものだねぇ」

現実に引き戻す声の主をアメリアは睨んだ。





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