空白の玉座
「お言葉を慎んでください、ノイン様」
ノインは冷たい印象のする黒い瞳を細め、形の良い唇の端を持ち上げた。
「お子のいないご正妃は肩身が狭くなること」
ホホッと笑うと彼女は踵を返して去っていく。
ジェイスは促すようにアメリアの背中を押した。
一先ず戻りましょう、と声を掛け騒然とする居室の前からアメリアを連れ出す。
少し歩くと、騒ぎを聞いて駆け付けたリークたちに出会った。
「隊長は?」
「親衛隊の訓練場よ、ランスロット家のガイ様が見えてたわ」
ロランの言葉に頷くと、アメリア様を頼む、と訓練場へジェイスは足早に歩き出す。
リークたちと離れセシもその後ろ姿を追いかけた。