空白の玉座
議会が終わり部屋に戻ったアメリアを謁見の間でゴルドアを始め親衛隊の4人と、ガイが迎えた。
ガイは挨拶がわりにべたべたすると満足したのか、お待ちしていますと去っていった。
何しに来たのかわからないガイに、先が思いやられる気がしてアメリア笑顔を引きつらせながらもなんとか彼を見送った。
大勢で動くと目立つ為、親衛隊第2部隊を昼間のうちにランスロット家へ配置、王妃を連れ出すのは夜が更けてからジェイス達が行うことになった。
「国が大変なときに、逃げるみたいであまり気が進まないわ」
ジェイスと2人になった自分の部屋でアメリアが呟く。
「あなたの命が最優先です。クラリスが王になるにはあなたが即位式で宣誓するか、…死ぬしかない」
「リリス王子が権利を放棄しても同じよ、彼が王になる。そうすれば戦争になるわ」
「それはそれで仕方ないことだ、あなたには関係ない」
ジェイスの言葉にアメリアは宝石のような瞳が落ちそうなくらいに目を丸くした。
「なぜ、そんな事…言うの?…あなたも、私がよそ者だからと言うの?!」
「あなたがこの国の未来を1人で背負うことはない。……この国の為に犠牲になる必要はないだろう?!」
「…信じられない、あなたがそんな事言うなんて」
アメリアは目を伏せるとジェイスに背を向けた。
「…出ていって、1人にしてちょうだい」
しばらくして、足音が部屋に響いた。