空白の玉座
「好色で有名なベルトワール国王に取り入るつもりか?」
「っ……」
冷たく光る銀の瞳をアメリアは鋭く睨んだ。
「クラリス様、お言葉が少し過ぎます」
コーアンが2人の睨み合いを遮るように間に立った。
「国王陛下が亡くなられた今、この国で決定権を持つのはご正妃であるアメリア様お1人だけ。
新国王が即位されるまで私達が王妃様を支えていく他ありません。
バースもその様に心得よ」
少しの沈黙の後、バースは頷いた。
それを見てコーアンが話を戻す。
「それで、戦況はどうなっている?」
「2つの都市を陥落し、現在は要塞都市マテラを挟んでこう着状態ですが、…このままでは攻め込まれるのも時間の問題でしょう」
「マテラにはユリウス陛下の弟君がおられます」
補足するようにコーアンがアメリアに囁いた。
「では、新国王が即位するまで防げるように部隊を派遣しましょう」
「はっ!」
バースの低い声が議場に響いた。