To Heart
「あの……」

「ん?」

僕の心が、彼女をもっともっと感じたくて、全部の神経が彼女のいる左側に集中している。

僕が今、こうやって物凄くドキドキしているなんて事、彼女はきっと考えてもいないだろう。

あなたの目に、僕はどんな風に映っていますか?

『男』に見えますか?

「なに?」

言葉に詰まる僕の顔を覗き込む彼女。

聞きたいけれど、聞けない言葉。

「あ……う、うどんのつゆって、どうやって作ればいいか知ってますか?」

僕はそれまで話していた自炊の話に絡めて、咄嗟にそんな事を聞いてごまかした。

「うどん? どうしたの?」

「いや。この間無性にうどんが食べたくなって作ってみたんですけど、全然美味しくなくて」

「そうだなぁ……本当の作り方はわからないけど、私はだし汁に味醂と塩と醤油を入れて作るかな。濃いつゆの時は、先に味醂のアルコール分を飛ばしてから醤油を……」

突然の変な質問にも、彼女は丁寧に答えをくれる。

僕の好きなやわらかい口調で……


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