To Heart
「今日はお休みですか? 風邪をひいたとか?」

昨日雨に濡れたから、その可能性もある。

僕は不安な気持ちを必死に抑えながら、平静を装って聞いてみる。

するとオーナーは僕の方は見ずに、黙々と作業を続けながら

「彼女はここを辞めたよ」

と答えた。

心臓がドクンと大きな音を立てて、その言葉に反応した。

「な、なんで? なんでですか?」

混乱する頭で、そう聞き返すとオーナーは

「今朝電話があって……急な事でね。詳しい理由は……」

とため息混じりに言いながら、力無げに肩を落とした。

オーナーが、仕事面で彼女をとても信頼していたのは知っている。

突然辞められて、オーナーもとてもショックだったのだろう。

「そうなんですか……」

ガッカリしている様子のオーナーに、僕はなにも聞けなくなった。

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