To Heart


散々泣いて少し気持ちが落ち着くと、店を辞めても、まだあのマンションに住んでいるのなら、近いうちにどこかで会えるだろうと思えた。

例えば

僕たちが初めて出会った図書館や、

彼女がよく行くと言っていたスーパー。

砧公園。

用賀の駅周辺。

駅からマンションへの道のり……

僕はそれ以来、外を歩くとき必ず彼女の姿を捜した。

一瞬姿を見るだけでもいい。

彼氏と一緒でもいい。

どんな状況でもいいから、彼女が元気になって、いつも通り笑っているところを見て安心したかった。
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