To Heart
僕たちは結局そのまま、近くのスタンディングスタイルのワインバーに店を移した。
「そうか……理央ちゃん『松越』だったね」
「あ、なにそれ? すっかり忘れてた感じ!?」
壁側のカウンターで、とりあえずシャンパンを飲みながら、チーズや生ハムなどを軽くつまむ。
「そんなことないよ」
「嘘つき」
言いながら、理央ちゃんはプッと膨れっ面をする。
そんな理央ちゃんが、懐かしくて、かわいくて、笑ってしまう。
「しかし理央ちゃんは、相変わらずだね」
「どういう意味?」
「相変わらずキレイだね。って意味」
僕の言葉に、理央ちゃんは不思議そうに僕の顔を覗き込む。