To Heart
そう言って僕の目の前に立っていたのは、50代半ば位の上品な出で立ちのおばさんだった。

火照っていた体が一気に冷える。

予想外の展開に僕は呆然と鍵を受け取ると、キョロキョロと辺りを見渡して彼女の姿を捜した。

彼女はすでに貸し出しカウンターで本を借りていた。

どうやら、僕の立っていた場所の手前の通路で、曲がってしまったらしい。

僕の意を決した作戦は敢え無く失敗に終わり、ガックリと肩を落としながらアパートに帰った。



< 19 / 171 >

この作品をシェア

pagetop