To Heart


理央ちゃんが友達と待ち合わせをしていたのは、大学近くの裏道にある、雰囲気のいいカフェだった。

いつも定食屋やラーメン屋ばかりの神谷と僕には無縁の場所だ。

自転車を押していた僕は、店の横にそれを止め、一足遅れて店の中に入った。

店の中に入ると、コーヒーの匂いとケーキの甘い匂いが混ざったとてもいい匂いがして、思わず僕は大きく息を吸い込んだ。

昔から甘い物は大好きなのだ。

「いらっしゃいませ」

不意に背後から店員さん声を掛けられる。

「あ、さっきの二人と一緒なので……」

そう言いながら振り向き、僕は目を疑った。
< 31 / 171 >

この作品をシェア

pagetop