To Heart
「いえ」と返事をして、最後の料理名を書こうとしゃがんだ時に、オーナーが僕の様子を見にやって来た。

「書けた?」

「あ、これで……できました。これでいいですか?」

僕が出来上がった黒板を見せると

「お! さすが! 上手いなぁ! 履歴書の時の達筆とはうって変わって、ちょっと崩して親しみやすくした字体が、またいいね!」

オーナーは、僕の書いた黒板の文字に満足そうに笑った。

仕事的にはささやかな仕事かもしれないが、そんなオーナーの反応が嬉しくて、僕も笑った。

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