To Heart
『自由に書く』ことから、いつからか『丁寧に、きれいに書く』ことを意識するようになり、書道コンクールなんかで入賞するようになると、自分の書く文字は友達のそれよりも上手いのだと自信がつき、友達が野球やサッカーなどに夢中になる中、僕はますます書道にのめり込んだ。
昔から、よく友人に「書道のどこが面白いのか?」と聞かれることがあるが、文字を書くということは自分の素直な心を写す鏡のようだと思う。
文字を書くときは、いつも面白いほど、その時、その時の気持ちが素直に表れる。
落ち着いた気持ちであれば、落ち着いた文字がでるし、荒れた気持ちの時は文字が乱れたりする。
素人の僕が、書道を語るのはおこがましいが、心を無にして半紙に向かう時や、自分の思い描いているように書けるまで何度も挑戦して、納得の行く物が描けたときの達成感など、書道の魅力はとても奥深いと思う。
僕が書く物は「作品」と呼べるような物ではないが、出来上がった物はその時々の僕自身なのだと思う。
僕が初めて書いた「おかあさん」は、未だに実家の和室に額に入れられて飾ってある。歪んだ「おかあさん」の文字は、今でも母親のお気に入りなのだ。