To Heart
校門の前で、真美子ちゃんが来るのを待つ。
寒い……
今日はやけに風が強い。自転車で大学に向かう間にすでに僕の体は冷え切っていた。
無駄な抵抗だと思いながらも、マフラーを太めに巻き直し、その中にアゴを入れ暖まる努力をしてみる。
少しは温かい……気がする。
1限目が始まる時間が迫っても、真美子ちゃんが姿を現す気配がなかった。
今日は1限からではないのだろうか?
もしかしたら、別の門から入ってしまったのだろうか?
それとも、僕が立っていたから逃げたのか?
それとも……
「おはよ! 童貞くん♪」
と、突然声を掛けられ、僕は焦って声の方に向いた。すると理央ちゃんが、ニヤニヤと笑って立っている。慌てて周りを見回したが、幸い他に人影はなかった。