To Heart
「お、おはよう」

『童貞くん』と僕を呼ぶということは、真美子ちゃんから話を聞いたのだろう。

「聞いたよ~! マミから!」

からかうようにそう言う理央ちゃんに、僕はいつもの様に低めのテンションで

「今日、藤田さんは?」

と尋ねてみる。

理央ちゃんは友達が酷い目にあったというのに、怒っている様子もなく

「休むって! ショックだったみたいだよ」

と言った。

休みと聞いて、少しホッとしている自分がいた。

僕たちは、なんとなく校舎に向かって歩き出す。
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