もし、会えたなら
多分、あの人も
これからデートで
あの子は部活帰りかな?

なんて色々
人間ウォッチング。
外の景色は
まだまだ夏一色。


プシュー

一駅なんかすぐで
山下町に着いた。

もう、二時半だし。
優哉の馬鹿。

一人寂しく
山下町の改札にいる。

惨めかもなあ。

何回目かの人混みのとき

ピロリン
着信音がなった。
<癒実ついた?>

キョロキョロと辺りを見回す。
自動販売機の所に
ワックスをつけて
ジーンズスタイル腰にチェーンの
優哉らしき人がいる。

近付いてみると


やっぱ優哉。

『優哉!!』

「癒実、えっと。」


あ、そっか。
優哉は初デートか。

だから
落ち着かないのか。
あのクールな先輩は
どこへ行ったやら。

笑えてきちゃって

『行こっ!』

って、リードした。

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