ソプラノ
ソプラノ
俺は泣きじゃくる涼を病室に残し、休憩室のソファーに座っていた。












涼は、ずっと抱えていたんだ。




―苦しみを

―悲しみを

―切なさを




ずっと一人で抱えてた。





でも、俺はその全てを受け止めて、涼を好きでいるんだ。






あきらめることなんかできるわけがねぇ。








「くそ・・・・止まれよ、情けなねぇ・・・」




後から後から溢れる涙を、両手で隠して、夕日で赤く染まった休憩室で秘かに泣いた。


















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