忘れられない人
「まだ今の季節は寒いから、さ。暖かくなったら乗せる・・・ってことで、どぉ?今は仕事も忙しくて、なかなか休みもとれないし。その頃には、だいぶ落ち着いてると思うんだよね。」

完全に断られると思っていた私は、予想外の答えに驚きを隠せない。

そのとき、タイミングよく頼んだものが運ばれてきた。

「ジントニック二つになりまーす。」

「じゃ、お先にお疲れ〜。」

私はグラスを合わせると、一気にお酒を流し込む。

「中野さんって、男前〜。」

「つい、勢いあまって。もう一杯同じのでお願いします。」

ジントニックがもう一杯運ばれてきたとき、みちるが店に現れた。

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