忘れられない人
そしてふいに、頭の上に手がのった。

顔を上げると、凌がいた。

時計を見ると、まだ15分しか経ってない。

来るの、早・・・。

「こら。誰が免許取っていいなんて言った。」

開口一番、凌は少し怒った口調で言った。

「だって・・・。バイク、すごい気に入ったんだもん。」

「だから乗せてやるって言ったじゃん?オレの後ろじゃ、物足らないわけ?」

「そういうわけじゃ・・・。」

シュンと小さくなる私に、ふぅと凌はため息をつくと、

「思った以上にバイクは危ない乗り物なんだよ。怪我されたら、それこそバイクに乗せたオレの立場がなくなる。オレが乗せなかったら、免許なんて取らなかっただろ?」

かがんで目線を合わせながら凌は静かに言った。

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