忘れられない人
「いいよ、スクールバスが池袋まで出てるんだ。帰りは大丈夫。ここに来てもらえただけでも嬉しいから。」

「せっかくバイクに乗れるのに?バイクが気に入ったんじゃなかったっけ?」

意地悪そうに言う凌に、

「一応、遠慮してるんですけど・・・。」

と、負けじと私も言い返す。

「遠慮はいらないよ。送るのなんて、わけないから。気にすんな。」

そして凌は、バイクの仕組みについて丁寧に教えてくれた。

「中野、バイク起こせた?」

「いや、まったく。重すぎてビクともしなかった・・・。」

「だろうな。バイクを起こすのにもコツがあるからな。腰を入れて起こさないと、無理だよ。・・・さすがに、オレのバイクを倒して練習・・・させらんないけどな。これ、まだ新しいんだ、ごめん。」

「新しいんだぁ!ピカピカだもんね。」

「そう、今んとこ無傷。だから転べないんだ。」


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