太陽キャンディ
俺が呟いたのが聞こえたのか。
太陽みたいな彼は、グラウンドに向けていた視線を俺に移した。
ああ女子はきっと、こんな人に憧れているんだろうな、と思わせるような。
世間から言われれば彼は“イケメン”という部類だ。
「…………」
そんな彼の視線に固まる俺。
それから俺の服装を下から上へと眺め
「……野球部キャッチャー、か」
と目を細めてそう言い放つ。
その瞳が、
(……似てる)
『野球部をやめる』と言った時の成海に、すごく似ていて。
その視線と絡まぬよう、サッと視線を逸らした。
出来るだけ関わりたくない、
そんな思いが先走って、そのままグラウンドに向かって歩き出した。
だんだんと近付く彼の影。
無言で彼の横を通り過ぎようと足を運ぶと。
「……太陽、って、俺のこと知ってたりするわけ?」
意外にも優しい声に、つい足を止め振り向いしまった。