太陽キャンディ






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「たーいちゃーん」


やっと見つけたとの勢いで、野球部のバックネット裏に立っていた陽太に声を掛ける。




すると陽太は振り向き様にわざと嫌な顔をする。






「……その名前で呼ぶな」


ムッとした顔が俺にはすごく可愛く見えて、もっとその名前で呼んでやろうかと火を付けるが。




やめておこう、不機嫌になると何をしでかすかわからない。






「南と話したんだって?」

「……話した内に入るのかわかんねーけど、多分」




俺から視線を離し、バックネットの網目に手を掛けて。

ふと、強気な瞳が寂しそうな感情に変わるのを、俺は見てしまっていた。






「いいキャッチャーだろ? 気が利くし、優しいし」




──ああ、という感情を抑えて、話を続けた。
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