君だけのもの


ショーが始まって、みんな慌ただしく動く。

俺も、陽奈の様子を見に行く時間もなくバタバタしてる…。



そして最後…

愛弥と亜羅志、美莉と爽哉が出てって、次が俺と絵里奈。


ステージに出る前に、俺は絵里奈に言った。

「これが絵里奈と歩く最初で最後のショーだから。これはけじめ。このショーが終わったら…SG辞めてくれない?」


「え?」

絵里奈は目を丸くした。

「俺にとって陽奈が1番なの。だから、絵里奈の気持ちは嬉しいけど…俺は陽奈しか見てないし、見えてねぇの。」

これは…多分本音。

「知ってたんだ…あたしが日悠君のこと好きなの…」

「うん。さっき愛弥に聞いた。」


「そっか…だからショーに出してくれたの?」

「うん。」


「…ありがと。」
絵里奈は力無く笑って言った。


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