君だけのもの
【陽奈】

目が覚めると、頭がぼーっとするのと同時に腕が痛んだ。


「日悠……君?」

椅子に座って携帯をいじっている日悠に声をかけた。


「陽奈!?大丈夫か!?」

あたしは体を起こして頷いた。
すると、日悠はあたしをギュッと抱きしめて来た。

「ちょっ日悠君!?」

「ごめん…俺のせいで…」

あたしは、ただじっとしとくのがやっとだった。

「怖かったよな…」

日悠の声に安心して涙がこぼれた。

「ごめん…もう…そんな思いさせねぇ。」

何で?……何でそんな事言うの?

好きでもないくせに…期待しちゃうじゃん…。


「俺がぜってぇ守る。一生。」

責任感だけでそんなこと言わないでよ……

あたしはひたすら泣いた。


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