ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
第3章《大学生~22歳》

距離


大学生になって、半年。
一人暮らしにも慣れ
キャンパスライフも
それにりに楽しかった。


でも、聖斗とのことが
まだ忘れられない私。


あれから何度も聖斗に電話して
メールも送った。
携帯をいくら鳴らしても
出てはくれず
メールの返信も無い。


完全に避けられてる…
分かっていても
聖斗から返事がくるんじゃないかって
期待して
毎晩、携帯を握り締めて眠った。


聖斗…
声だけでいいの…
聞かせて…




「一週間ぶりー!元気してたー?」

「もう、恵美里遅いー」


今日は、智可と恵美里と食事会。

私たち3人は、割と近くに住んでいて
一週間に一度
こうやって集まっては
お互いの近況を報告し合ってた。


「ごめんねー彼ったら
帰りたくないなんて言うもんだから…
ホント、困っちゃう」


恵美里は最近、彼氏ができて
ラブラブだ。


智可も遠距離になっちゃったけど
体の相性バツグンの斉藤君と
付き合ってて
彼氏が居ないのは私だけ


「いいなぁ~…2人とも幸せそうで…」


すると、智可と恵美里が
顔を見合わせ
申し訳なさそうに肩を落とす。


「あぁー、私のことは気にしないでいいから…
2人が幸せなら
私も嬉しいよ」


気を使わせるのが嫌で
慌てて明るく笑って見せる。


「ねぇ、美羅…
聖斗君のこと、まだ好きなんでしょ?
せっかく付き合えたのに
すぐ別れちゃって…
お兄ちゃんも心配してたよ…」

「雅史さんが?」

「うん…
なんでも、聖斗君
今まで女なんて興味ないみたいにしてたのに
合コンとか行きまくって
かなり遊んでるらしいよ。
人が変わったみたいだって…」


「そうなんだ…」


聖斗が
どんどん遠くなってく感じ…



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