STARヒーロー★
ジャケットを首に巻き、サングラスをかけ、いかにもな業界人のような格好のおじさんに連れられあたしは“STAR”と書かれた看板があるビルに入った。
天にも昇る気持ちで ルンルンと後に続いた。
「ささ、ここに座ってッ!」
やや強引にソファーに座らされ、あたしの向かいにおじさんが座る。
そしてあたしを上から下までじろじろ見る。
「…な、なんですか?」
「う~ん…」
なにやら考え唸り始めた。
あ、もしかして「あ、ごめんね。よく見たら可愛くなかった」とか言われる!?
そうに決まってる。だってあたしたいして可愛くないし…。
浮かれていた気持ちが一気に冷め、現実を思い出す。
なにを浮かれてたんだか。
馬鹿だなぁ…あたし。
うん、よし。帰ろう。
鞄を持ち、席を立とうとした。
「うん!!ぴったりだ!きみすごくいいよ!」
う、嘘!!!??
光の速さで座り直し信じられないとおじさんを見る。