STARヒーロー★




「も、もしかして…騙された!?」





気づいたのはジャー…とつなぎのチャックを締めるとき。


サーと青くなる。

あたし何させられんの…!?


こんなのがアイドルのスカウトのわけない。



黄色って…!つなぎって!しかもつなぎって!

そういえばさっき筋肉とか言ってたし…っ

土木作業とか!?女子高生に体力仕事させるつもり!?



だーまーさーれーたー!!!


あたしはガンガンと壁に頭を打ち付ける。





シャーッ 「りこちゃん着れた?」


更衣室のカーテンを開けると同時に松崎が顔を出す。



「っぎゃーーー!!!!普通聞いてから開けますよね!!!??」

逆だよ逆!!!


「ごめん、全部丸聞こえだったからつい…」

そう言って微笑み、「あ、ちなみに土木作業じゃないよ」と言った。



あたし口に出してたの!!?



「あと壁を壊さないで」と言われ、一応謝る。


…てかっあたし騙されたって気づいちゃったんだからねっ!


フーッと猫のように警戒するあたしを見て、松崎はどこから出したのかペラッと契約書を取り出し読み上げた。

「契約1、あなたはここの責任者・松崎のため働く
 契約2、逃げ出したりしたなら直ちに200万を支払うこと」






…え、






「に、200ーッ!!!!??」


「そ。」
パクパクするあたしを無視して松崎はあたしを見て、

「え?払うの?」とぬかした。





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