恋人はトップアイドル
そう、私たちは今来週の会議の内容である体育祭のことを、話していた。

私たちの学校の体育祭は4月に早々と行われる。
外部の生徒も見れるので、文化祭と同じくらい大々的に行われる。

そして私たち生徒も、体育祭は行事の中でも一番盛り上がるから、会議も早々と執り行い、新学期が始まるとすぐに準備に入る。

これが終われば、夏先に次の生徒会へ引き継いで、私たちの1年半の職務は終わる。

「最後だから楽しみたいよね。」

「そうね。」

「俺は騎馬戦か棒倒しさえやれればいいけど。」

「本当に、その2種目すきだよね。」

私は健人の言葉に呆れて笑った。

「てゆか、うちの男子たちはなんであんなに、あの2種目に燃えるわけ?」

いつも見ている限り、ストレス発散といわんばかりの勢いだ。絶対どこか一組は喧嘩を始めるし。

「なんつーか、男のプライド?」

「うわ、くだらない。」

百合がすぐさま鋭いツッコミを入れた。

「女にはわかんねーよ。男は絶対力では負けたくないもんなの。」

健人の言い分に、私と百合は目を合わせて首を傾げた。


ふと時計を見れば、もう17時近かった。

「そろそろ帰ろうか。」

「そうね。」

「俺部活寄ってくわ。あ、百合、今日飯お前ん家で食うから。」

「わかったわ。お母さんに言っとく。」

健人はカバンを肩にかけながら、百合にいった。百合はもう当然のような顔で、答える。幼なじみらしい会話だ。

そのまま健人は手をひらひらと振って、出て行った。

「さ、帰ろっか。」

私たちもすぐに教室を後にした。

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