恋人はトップアイドル

RAVISHING、通称Ｒ

家に着けば、もう時刻は１８時半を過ぎていた。

私は急いで誰もいない家の中に入って、玄関横の階段を駆け上がり、自分の部屋に入った。

部屋の窓を閉めて、カーテンを閉める。制服を脱いでクローゼットのハンガーにかけると、スウェットに着替えた。
コンタクトを外し、眼鏡をかける。

そしてまた下へと駆け降りた。

ダイニングのドアを開ける。その先にリビングがあって、ソファーと液晶テレビが向かい合うように置いてあるその先に、窓が大きく開けている。
庭が一望できるように、親がそう作ったらしい。


その窓のカーテンを、シャーッと音を立てて閉めた。


そしてテレビをつける。チャンネルは８。いつもお馴染みのお天気キャスターが、今日も本気なんだか適当なんだかわからない天気予報をしている。１９時まであと少し。

それまでに夕ご飯を用意しなきゃ。

私はダイニングに駆け込んで冷蔵庫を開けた。

昨日作ったスープとサラダがまだ残っているから、それはそのまま食べるとして、あとはパスタでも作ろう。


ソファー前のテーブルにメニューを並べると、ちょうど１９時になった。

「セーフっ。」

堅苦しいニュース番組から、きらびやかなステージへと画面が切り替わる。


「今日も始まるぜー！！」


ブラウン管の中から、お馴染みの声が聞こえた。それと同時に、音楽と、無数の女子たちの悲鳴が聞こえる。


「今日はこの曲から！RAVISHINGで、「恋愛ゲーム。」！」

それに、また無数の悲鳴が上がった。


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