恋人はトップアイドル

俺の女 SIDE 輝

優美と気持ちが繋がった瞬間、今までに味わったことのない気持ちが、俺の中に流れ込んだ。

この気持ちを、なんと呼んだらいいのか。


柄じゃねえけど、涙が出そうなくらい嬉しくて、今までよりもっと、優美が愛しくなった。


多分、誰にも言えねえ、秘密の恋だけど・・・。

こいつとなら、頑張りたいって思うんだ。


一生、手放したくねえ。


今からそう思う俺は、おかしいのか?








「外に車、いるか?」

『黒の四駆・・。玄関前に止まってますが。』

「そうか・・。いなくなったら、教えてくれ。」


コンシェルジュに内線で確認すると、思った通りの答えだった。いい加減、うんざりする。どうやら記者はまだ、張り付いてるらしかった。


内線電話を置いて、リビングに戻る。優美は窓際に立って、そこから見える東京の夜景を見ていた。

その横顔を見るだけで、苛ついた気持ちがおさまっていく。


俺は側まで行って、後ろから軽く抱きしめた。

「わっ・・、輝・・。」

優美が驚いて声をあげる。
一度知ったら、もう抑えきれない。

ずっと、触れていたい柔らかさだ。


「車・・、まだいるらしい。だからもう少し、我慢してくれ。」

「あたしなら、大丈夫だよ。そんな申し訳なさそうにしないで。一人でも帰れるよ?」

「それはダメだ。」

優美の思わぬ提案を、俺は一蹴した。

「こんな夜中にお前を一人で歩かせられるか。何があるかわかんねえんだから。」

俺は強くそう言って、抱きしめる腕に力をこめた。

自分よりも大事な女だ。
危ない目には合わせたくない。


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