恋人はトップアイドル
ふと、女性がこちらを向いた。

ドキッとして、思わず固まる。そして、正面から顔を見た瞬間に、その女性が誰なのかわかった。


------ユキだ。


輝が初めて出たドラマでヒロインを務めた有名人気女優。


お互い何秒間か目を合わせたまま沈黙していた。


ど、どうしよう・・、何かいわなきゃ!


すると。


「あーっ!」

突然ユキさんはあたしを指差して、叫び声をあげた。その声に身体がビクッとはねる。

「んだよユキ!うっせーな!」

輝の声が聞こえたかと思ったら、ユキさんがこちらへ歩み寄ってきた。

え!?え!?なに!?

緊張のあまり身体が動かない。

に、逃げられない・・!と思った瞬間、ユキさんはあたしの両肩をガッと掴んで、

「あなた優美ちゃん!?」

と言った。


・・・へ??

目の前の整った美しい顔を見ると、その目があたしを見つめてキラキラと輝いていた。

や、やばい、女のあたしでもクラッとくる・・・。


「ね?そうでしょ?」

「は、はい・・。あ、の、なんで・・。」

あたしは戸惑いながらも頷いた。

「ケイと輝からあなたの話聞いたの!」

ケイ・・・?誰、だっけ。

「ほら、輝の友達!一回会ったことあるでしょ?」

ユキさんはあたしの表情を読み取って、そう続けた。


・・・・ああ!!

「でもなんで、あたしの話を・・?」

「ケイがね、可愛い子見つけたって言っててさ、思わず聞いちゃったんだよね。」


か、可愛い!?
ま、間違い間違い間違い!!

思わず青ざめる。
こんな美しい女性を前にして、そんなこと言ってほしくない!

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