恋人はトップアイドル
呼び出し
4月10日。
とうとう私は、18歳になった。
今日は学校は休み。来週には体育祭、さらには抜き打ちテストの結果、総合順位発表と、生徒会長であるあたしには、ドキドキな事が待ち受けている。
・・そして今、あたしは18歳になった感動を味わう暇も、まだ誰からも誕生日を祝われていない淋しさを味わう暇もなく、黒革のソファーの上で、コチンコチンに固まっていた。
事の発端は、2日前。
輝に相談の電話をした、すぐ翌日の事だった。
家に帰ると、ちょうど電話が鳴った。
あたしは慌てて靴を脱ぎ、受話器をとった。
「はい、笹本ですっ。」
『優美ちゃんかい?』
「・・・堂本さん?」
電話の主は、堂本さんだった。すぐに、輝が堂本さんに相談したんだとわかった。
『輝に優美ちゃん家の電話番号を聞いたんだ。勝手に聞いて、ごめんね。』
「あっ、いえ、大丈夫です。」
『ところで、輝から話は聞いたよ。優美ちゃん・・高校生なんだね?』
「・・・はい。すみませんでした、黙ってて・・。」
ずっと力を貸してくれていた堂本さんを、騙すような真似をしていたことに、罪悪感が募った。あたしは受話器を握りしめて、頭を下げた。
『いや、いいんだ。僕はそんなことは気にしてない。・・ただ、学校との両立は、大丈夫なのか?』
「あ、それは、なんとか・・。」
そう言うしかなかった。
『そうか。それならいい。・・実はね、輝から、明後日君を事務所に連れていくように頼まれた。』
堂本さんは、まるで父親みたいな優しい声で返事をしたあと、本題に入った。
「事務所・・って、Rが所属している?」
『もちろんだ。』
「え・・、なにを、しに?」
まさか事務所に行くとは思っていなかっただけに、うろたえてしまった。
とうとう私は、18歳になった。
今日は学校は休み。来週には体育祭、さらには抜き打ちテストの結果、総合順位発表と、生徒会長であるあたしには、ドキドキな事が待ち受けている。
・・そして今、あたしは18歳になった感動を味わう暇も、まだ誰からも誕生日を祝われていない淋しさを味わう暇もなく、黒革のソファーの上で、コチンコチンに固まっていた。
事の発端は、2日前。
輝に相談の電話をした、すぐ翌日の事だった。
家に帰ると、ちょうど電話が鳴った。
あたしは慌てて靴を脱ぎ、受話器をとった。
「はい、笹本ですっ。」
『優美ちゃんかい?』
「・・・堂本さん?」
電話の主は、堂本さんだった。すぐに、輝が堂本さんに相談したんだとわかった。
『輝に優美ちゃん家の電話番号を聞いたんだ。勝手に聞いて、ごめんね。』
「あっ、いえ、大丈夫です。」
『ところで、輝から話は聞いたよ。優美ちゃん・・高校生なんだね?』
「・・・はい。すみませんでした、黙ってて・・。」
ずっと力を貸してくれていた堂本さんを、騙すような真似をしていたことに、罪悪感が募った。あたしは受話器を握りしめて、頭を下げた。
『いや、いいんだ。僕はそんなことは気にしてない。・・ただ、学校との両立は、大丈夫なのか?』
「あ、それは、なんとか・・。」
そう言うしかなかった。
『そうか。それならいい。・・実はね、輝から、明後日君を事務所に連れていくように頼まれた。』
堂本さんは、まるで父親みたいな優しい声で返事をしたあと、本題に入った。
「事務所・・って、Rが所属している?」
『もちろんだ。』
「え・・、なにを、しに?」
まさか事務所に行くとは思っていなかっただけに、うろたえてしまった。