恋人はトップアイドル
『ごめん、それはわからない。とにかく、君を事務所に連れてきてくれと、輝は言ったんだ。それから・・輝は君を、社長に会わせると。』

え!!?

「しゃ、しゃ、社長ですか?」

あまりの驚きに、声が裏返る。
社長って!規模がちょっと大きくなりすぎなんじゃ・・・。


『ああ、僕も何をするつもりなのか聞きたかったんだけどね・・・、輝は、俺に任せろ、の一点張りでね。』

「ああ・・。」

堂本さんが苦笑しているのが、目に見えてわかった。と同時に、輝のいつもの、自信あり気な笑みが浮かぶ。

「あたし・・社長に会って・・、大丈夫なんですかね?」

『え?』

「いや、あたしのしたことは、やっぱり許されないですし、クビになるのかなって・・・。」

あたしは心にずっとある不安を吐露した。堂本さんなら、信用して話せるからだ。

『うーん、まあ、それはないとは言えないね。』

堂本さんの素直な返事に、あたしは、それをわかっていてもショックを受けた。

やっぱり・・バイトはやめるしかないの・・・?

『でも、輝だからね。』

「え?」

『輝はね、人を動かす天才なんだ。誰もがあのオーラに魅了される。わかるだろう?』

「・・はい。」

輝の姿を思い浮かべた。
思わず笑みが出てしまうくらい、好きだと思う。
素直に頷いた。

『その輝が、優美ちゃんを守るって言ってるんだ。全身全霊かけてね。・・よっぽど、君を好きなんだと思うよ。』

「そ、そんなことは・・!」

恥ずかしくて、頬が熱くなった。でも、嬉しい・・。

『あるんだよ。輝は、君に会ってから本当に優しくなったんだ。だから僕も、出来るなら二人に協力したい。』

「・・ありがとうございます。」

その真摯な気持ちに、胸が温かくなった。

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