恋人はトップアイドル
『優美自身、今回は手抜いたんでしょ。だいぶ前から不安そうにしてたから。』

不安そうに・・?
そんなの俺は知らなかった。

鈴木の言葉に、どんどん胸が沈んでいく。

『ただ俺は、あいつの親友として、副会長として、あんたらを好きにはなれない。』

『俺たちのせいだっていうのか。』

隼人がキレかけてる。

『違いますよ、んなことは言ってない。ただ優美には優美の生活があるんです。あんたらと優美が仕事で関わる分には構わない。ただ・・こっちまで入り込んでくんなよ。』

『美しいこったな友情ってのは。』

『隼人!』

隼人のバカにしたような態度を、悠がたしなめた。

『・・今回のことでも優美は悩んでた。あんたらだって知ってたんだろ?バレたらまずいはずだ。なのにリスク冒すなよ。

げーのーじんだかなんだか知らないけど、優美にも守んなきゃならねえもんがあんだよ。それをもし、あんたらが壊すっつーなら、俺はあんたらを許さねーからな。』

それだけ吐き捨てて、鈴木は中へ入っていった。

『・・なにアレ。』

優太が呆然とそういった。

けど俺にはわかった。痛いくらい。

あいつは優美を、尊敬してるんだ。仲間として、敬愛してるんだ。
だから───。






でも、だからってそんなの聞ける俺じゃない。
リスクなんかお互い様だ。

それに───、彼氏として、黙っていられるかよ。


携帯を閉じて、俺はいったん家に戻った。着替えやらなにやらを詰めて、あのぽんこつな中古車に乗る。
読み通り、後ろからは誰もついてこない。まあ当たり前だ。まさかRの輝がこんな車に乗ってるなんて、想像つかねえはずだ。

時間はもう22時を回ってる。
寝てるかもしれない。
会えないかもしれない。

だけど───、だけど俺は。


お前がショックを受けてるなら、お前が大変な状況にあるなら、余計に側にいたいんだ。


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