恋人はトップアイドル
こういうのは初めてだ。
どうやって励ますべきなのか、というか、どうやって聞き出すべきなのか、俺はそういうのにはめっぽう向いてない。
くそ、面倒くせえ・・。
イライラして、頭をガシガシとかいた。
優美の背中を見遣る。
・・それでも。
面倒くさかろうが、何だろうが、あいつだけは。
そう、決めたんだ。
そうだ、悩むなんて俺らしくもねえ。
わかんないことを考えたって仕方がない。
俺は、俺のやり方でいこう。
「優美、ちょっとドライブしないか?」
そう決めたら最後。
俺は即、行動に移していた。
「・・・え?」
案の定、優美は驚いて戸惑っている。
「息抜きにさ。な。カギ持って、あとは上着も。まだ夜は冷えるからな。」
「ちょ、ちょっと待って輝・・、あたし・・」
「いいから。」
戸惑いながら俺の行動に抗う優美の目を見た。
「行くぞ。」
そう強く言うと、数秒後、優美は不満げに頷いた。
見えない壁?
そんなもん、壊すまでだろ。
夜の道を走っていた。
「ね、輝・・、どこ行くの?」
さっきから優美はそればかり聞いてくる。
「着いてからのお楽しみだ。・・・あ、少しコンビニ寄るぞ。」
途中人気のないコンビニに入った。優美を車に待たせて、帽子を目深にかぶり、俺はこれから行く先で必要なものを何点か買った。カモフラージュに、菓子や飲み物なんかも。
店員は一人だ。
幸い俺には見向きもせず、どうやらバレなかったようだ。
都内だったら、こうはいかない。
「ごめんな、待たせて。」
「・・ううん。」
「あと少しだからさ。これ、飲むか?」
俺は袋からレモンティーを取り出した。
「・・うん。」
優美はやっと、少しだけ微笑んでくれた。