恋人はトップアイドル
「えっ、と・・・、3日前?かな。いや厳密にはおとといか。深夜だったから。」

「深夜?お前な、まだ未成年なんだから下手なマネしてくれるなよ?」

優太はまだ18だ。深夜徘徊してる、とでも雑誌に載せられたら終わりだ。

「わかってるよ。ただ、コンビニ行こうとしてただけ。」

優太は口を尖らせ、反論する。

「そのコンビニの近くに、バーがあるんだ。行ったことはないけど、バーなのは知ってて。んで、コンビニで買い物して帰る途中に、バーから出てきた女の人を何気なく見て・・・。」

心臓が脈打っていた。まさか。

「それが、小夜姉だったんだ。」


そんな馬鹿な話、あるはずがない。


「お前見間違いだろ。」

「・・だから俺が、」

「小夜が、そんなトコで働くはずねえだろ・・!」

声が震えた。怒りか、困惑か、わからない。

「あいつは、幸せになったんだ。お前だって知ってるだろ。だから身を引いたんじゃねえのか。」

「・・それは、そうだよ。でももし本当に、小夜姉があそこで働いてたらどうするの?」

・・もし、本当に?
小夜が、深夜にそんな場所で働いてたら?


「俺が辞めさせる。」


ほかの誰でもない俺が。
小夜にそんなこと、させたら許さない。

「・・そう言うと思って、これ。」

すると、優太は一枚の紙を差し出した。見知らぬ単語の書かれたメモ。

「バーの名前。行ってみて。・・・俺が行くと、小夜姉困るだろうから。」

「・・優太。」

「じゃ、取材行ってくるね。」

優太は何ともなさ気に笑って、楽屋を出て行った。

あいつの気持ちが、まだ晴れていないのを何となく知ってはいた。でもこんな形で思い知るなんて----。

メモの文字を見つめた。
たった1週間前に再会したときは、笑っていた小夜。

「小夜・・・。」


お前は、本当にここにいるのか?


< 254 / 254 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

カノジョの秘密。

総文字数/24,329

恋愛(その他)32ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
華の女子高生生活が始まって、約半年。 穏やかな楽しい日々が、これからも続くって信じてた----------。 ☆天涯孤独、オトコ運最悪☆ 加賀美更紗(かがみさら)16歳 「・・・あ、れ?女、の子なんじゃ・・・。」 × ☆校内一の美少女、大のオトコ嫌い☆ 堂島麗(どうじまれい)16歳 「・・見てんじゃねーよ。」 カノジョの秘密、知っちゃった!!! 「お前今日から、アタシのメイドね。」 しかも、堂島家にメイド入り!? あたしの華の女子高生ライフ・・・・ どうなるのーーー!? ☆start 2010.2.08☆ ※メイン更新は、「恋人はトップアイドル」です。 こちらはだいぶ亀更新になりますが、よろしくお願いします。
(短編)フォンダンショコラ

総文字数/35,209

恋愛(その他)52ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
たった一度だけあげた、 手作りのお菓子。 とっておきの日にあげた、 とっておきのお菓子。 あのお菓子に、なにが詰まってたのか、あなたは知ってた? 固く閉ざした壁の中に包んだ、 とっておきの甘いもの。 今度こそ、ちゃんと届けるから。 ■□■□■□■□■□■□■□ 4年前自らフッたはずの恋人・隼人を未だに忘れられない、彩美。 そんな中、今年も恋する女子のための一大イベント・バレンタインの季節がやって来ようとしていた。 今年も自分には関係ないと思っていた彩美だけど・・・。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop