恋人はトップアイドル
百合の家は何百年の昔から続く、茶道の家。今百合が住んでいる純和風の相当広いお家は、改装を繰り返してはいるものの、初代からの名残を残しているため、だいぶ古い。

でもそれがまたいい空気を出していて、私は結構好きだ。


私は郵便受けから、郵便物を取り出して、門を開いた。少し階段を上ると玄関がある。その横に、ダイニング・リビングが見える大きく開けた窓と、庭がある。

私は玄関を開いた。

「どうぞ、入って。」

「「お邪魔します。」」

二人はそう言って、中に入った。私も続いて中に入る。

「優美の家、玄関も広いのな。」

「あーうん、昔は来客が多かったから。」

健人の言葉に、私はそう答えた。

昔、懐かしすぎる記憶だ。

「10人くらい優に入れそう。」

「入れるよ?」

私がそう答えると、二人は驚いた顔を見せた。


リビングに入り、窓を閉める。カーテンも半分だけ閉めた。

「適当に座ってて。」

テレビをつけて、二人をソファーに案内する。私はとりあえずお湯を沸かした。

大好きな紅茶を入れて、トレーで運ぶ。

「ありがとう。」

「さんきゅ。」

二人がそれを受けとった。


「優美さ、ここに今は殆ど一人で住んでるんでしょ?」

「うん。」

百合が唐突にそんなことを聞いてきた。百合と健人には、その理由も随分前に話していた。

なんで今更?

と思いながらも、首を縦に振った。

「寂しくならないの?」

百合の質問に、私は少しだけ言葉に詰まった。

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