恋人はトップアイドル
「えっと・・、新井さん?」

「は、はいっ。」

悠の言葉に、さっきまで弱々しかった隣の女性がハッキリと答えた。

「と、笹本さんか。」

「あ、はい。」

悠の視線がこっちに向けられて、頷く。

「俺たちのことは・・知ってるよね。」

「じゃなきゃ応募しねえだろ。」

悠の発言に、隼人が突っ込んだ。
やっぱり怖い感じ・・。

「二人とも、いくつなの?」

「あ、私は22です!」

優太が16歳とは思えない可愛さでそう訪ねる。
新井さんが嬉しそうに答えた。
22歳かぁ。随分、年上だなぁ。

緊張の中、少しだけ冷静にそう思った。

「君は?」

続けられた質問に、私も答える。

「私はじゅうな・・」

そこまで言って、ハッとした。
私、サバ読んでるんだった!!!!


「19です!」

急いで言い直す。
冷や汗が背中を伝った。笑ってみたけど、随分引き攣った顔になっていたことだろう。


「へえ、歳の割に若く見えるね。」

悠がにこやかに返してくれた。

「あ、ははは・・。」

笑って返すことしかできない。
実際若いんです、なんて死んでも言えない!!


しかし良かった、バレてないみたい。

ふう、と一つ、静かにため息をついた。


「じゃあ、これからよろしく。」
「よろしく。」
「よろしくね!」
「・・よろしく。」


悠、隼人、優太、輝の順に、挨拶をしてくれる。

「・・よろしくお願いします!」

咄嗟に頭を下げて、私もそう返した。


本当に、これからRのスタッフになるんだ・・!


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