恋人はトップアイドル

ピンチはチャンス?

本番まで、あと3日。

リハーサルもだいぶ本格的になってきて、輝たちメンバーは少し前から本番の衣装を着てやっている。

あたし自身少しだけ慣れてきて、どう動けばいいかはもうほぼわかってきた。最近は、輝の後ろで仕事ができることが、楽しくて嬉しくて仕方ない。

生徒会も無事全部終わって、完璧に春休みになったせいか、身体の調子もいい。


輝たちが歌う、あたしもよく聞き馴染んだ歌を耳にしながら、あたしは輝たちが降りてくるステージへ走り出した。









「最近、動けてんじゃん。」

衣装替えを行っていると、輝があたしを見てそう言った。

「え、本当に?」

自分なりに動けてるかな、って自覚はあったけど、輝からそう言われると改めて嬉しい。

「ああ。衣装替えも早くなったし。最初の頃、お前ムダに恥ずかしがってたからな。」

「そ、それは・・!」

輝の意地悪な言葉に、思わず顔が赤くなる。

だだだだって、目の前に輝の上半身の裸があるんだよ!?

男の子と付き合ったことなんかないあたしには、刺激が強すぎた。

今はなんか・・、見慣れたっていうのも変だけど・・、まぁ慣れたし。

「しかも、下もあたしが替えるの?って。お前、変態かよ、って思ったもんなー。」

「それは言わないで!!」

さすがに恥ずかしくて、叫んだ。

だって、上も替えるなら、下も?って思ったんだもん!!あたしだって聞きたくて聞いたんじゃないし!!


ああもう穴があったら入りたい・・。


時計をチラっと見ると、あと30秒くらい。


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