恋人はトップアイドル
なんだよ、あいつ金持ちなのか?

そう考えれば、何だかお嬢様ぽい匂いがしなくもない。
だけど、そう言い切れるかっつーとそうでもない。

しかも、こんなにでかい家なのに、優美以外誰もいないみたいだった。

親とか兄弟とかいねえのか?


俺の優美に対する謎は、深まっていくばかりだった。


それになにより驚いたのは・・。

ここら一帯は、都内でも一等地。だから、金持ちはもちろん、芸能人もよく住んでいる。

俺もまたその一人。ここから程近い場所の億ションに、俺は住んでいた。


まさかこんなに近い場所に住んでたとはな・・。


本当に驚きだ。


そんなことを考えていると、家の中の明かりが消えた。

出てくるか?

俺はハンドルに預けていた上体を起こした。

程なくして、優美は出てきた。

その制服姿に、俺はさらに驚かされた。

黒の長いブレザーに、緑と赤のチェックのネクタイ、白いワイシャツに、ネクタイの柄と同じスカート、そしてハイソックス。

都内では有名な、知らない人はいないほどの、進学校の制服だ。
この俺でさえ知っている。


頭良さそうだなとは思ってたけど・・、マジで頭いいんだな・・。


それにしても、制服姿を見ると、やっぱり女子高生なんだなと実感した。
なかなか似合ってる。


「お、お待たせしましたっ。」

優美はそう言って、俺の車に乗り込んできた。

近くで見ると、さらに似合ってる。
いつもは結んでいる髪も、今は下ろしていた。

優太が前にこいつのこと可愛いとか言ってたけど・・、まんざらでもねえかも。


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