恋人はトップアイドル

肩書き:王蘭高校生徒会長

2月半ば。

新年開けて早々に、私たちの学校は、他の学校よりも早く学年末試験を開始していた。

「はい、そこまで!」

試験監督の先生の一声で、ざわめきが教室に戻り始める。今日は試験の最終日だった。

「ねえねえ、どうだった?」

「やばいかも・・。Aクラスはもう無理かな。」

「うん、うちも。」

近くの席の話し声が聞こえる。

私たちの学校は、公立高校の中でも有数の進学校だ。国立大学有名私立大学への入学者数は、国内トップ10に入る。

そんな進学校にいる私たちだから、毎日の小テストは当たり前。授業も週5日7時間とびっしり。しかもクラスは高2まで理系文系には分けず、一通りの教科を叩き込まれる。

学生は学問に努めてナンボ。

そんな精神の学校なわけだ。

この学校に入ってしまった以上、私たちが学問だけに心血を注ぐことは、もはや義務。アルバイトなんて以っての外。


しかし学問以外にも、学校行事などは大々的にやったり、部活動にも力を注いでいる。


そのせいか、こんな地獄のような学校にも、入りたいという受験希望生は後を絶たない。


大抵人は、事を為してから気付く。失敗した、と。

大抵の物事は、嘘を潜ませているからだ。


この学校も例外じゃない。

まさか高2の学年だけ抜き打ちで、学年末試験があるだなんて、入学する時誰が知っていただろう。
というか、こんなに勉強が大変だなんて、誰が予想しただろう。


こんなこと知っていたら、少なくとも私は絶対にこんな学校入らなかった!


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