恋人はトップアイドル
「そんなこと言ってるお前が他でもない、この王蘭高校の生徒会長だってこと忘れんなよ。」

私の話を黙って聞いていた、クラスメートであり親友の鈴木健人は、いきなりそういった。


「そうよねー。てゆか、優美がそんなこと言った所でさ、だーれも共感しないわよ。だってねえ、学年1位の人にそんなこと言われたってねえ。」

するともう一人、私の話を聞いていた、親友の白石百合がそう続けた。


「百合、それでも親友!?」

「大丈夫よ、どうせ優美はAクラスだし、大体優美はもう推薦決まってるじゃない。」

私の文句も、百合にはどこ吹く風。美人だから、その様が似合いすぎてもう何も言えない。


「そうじゃん、お前はもう推薦決まってんだろ?つか会長になったら推薦決定、とかそれこそどんだけだよ、って感じだけどな。」

「うん、確かに。」


ちなみに、健人と百合は幼なじみだ。二人とも、相当な家柄の一人息子と一人娘。健人は、医者の一家であり、百合は茶道の一家だ。

そんな二人と、家柄も風貌も特に突出していない平々凡々な私が仲良くなったのは、入学してすぐだった。

私たちの学校では、入学試験で満点を取ったものが答辞を読む。毎年相当難易度の高いそれは、何年かに一度、満点の生徒が一人出るか出ないからしい。

けれど、私たちが入学する年には、何が起こったか、満点の生徒が三人出た。

それが、私と百合と健人だった。

結局三人とも答辞を読むことになり、健人とはクラスメートになった。百合とはクラスは違ったものの共通点が多く、すぐに仲良くなった。


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