恋人はトップアイドル
ツアー開幕
ついていく、絶対に。
輝の背中から目を放さない。
見せてほしいの、あなたの世界を。
そのためなら。
どこまでも、行くから。
さっき輝と交わした小指が、今も暑い。不思議な高揚感。開演時間が迫って、スタッフたちはそれぞれのポジションについた。あとは、全力でやるだけだ。
メインステージの裏からは見えない客席が、埋まっているのがわかった。興奮が高まっていくのが、ファンたちの喜びが伝わってくる。去年までは自分も向こう側にいたのに、今は見せる側にいるなんて、何だか不思議だ。
でもファンでしかなかったあの頃、開演を今か今かと待ち侘びた時の気持ちより、よほど今のほうがあたしはワクワクしていた。
「お願いします!」
「行くかぁ!」
「なんかもう熱気きてるね~。」
「円陣組むぞ!」
楽屋へ続く通路から、悠、隼人、優太、輝が出てきた。
衣装を身に纏った4人は、まだライトを浴びていないのに、すごく光って見えた。
スタッフたちが続々と集まって肩を組み、一つの輪になっていく。
「優美、来い。」
輝に、手を差し延べられた。ドキドキしながら、その手をとる。グイッと引っ張られると、あっという間に肩を抱かれた。
「お前も俺の肩に手回せ。」
「う、うん。」
あたしは届く範囲で、輝の背に手を回した。
反対側には、あたしをずっと指導してくれた堂本さんがついた。
「とうとう来たぜ全国ツアー!準備はいいか!!」
輝が普段聞かないような大声で叫ぶ。
「おー!!!」
周りのスタッフ、Rの他のメンバーがそれに応える。
輝の背中から目を放さない。
見せてほしいの、あなたの世界を。
そのためなら。
どこまでも、行くから。
さっき輝と交わした小指が、今も暑い。不思議な高揚感。開演時間が迫って、スタッフたちはそれぞれのポジションについた。あとは、全力でやるだけだ。
メインステージの裏からは見えない客席が、埋まっているのがわかった。興奮が高まっていくのが、ファンたちの喜びが伝わってくる。去年までは自分も向こう側にいたのに、今は見せる側にいるなんて、何だか不思議だ。
でもファンでしかなかったあの頃、開演を今か今かと待ち侘びた時の気持ちより、よほど今のほうがあたしはワクワクしていた。
「お願いします!」
「行くかぁ!」
「なんかもう熱気きてるね~。」
「円陣組むぞ!」
楽屋へ続く通路から、悠、隼人、優太、輝が出てきた。
衣装を身に纏った4人は、まだライトを浴びていないのに、すごく光って見えた。
スタッフたちが続々と集まって肩を組み、一つの輪になっていく。
「優美、来い。」
輝に、手を差し延べられた。ドキドキしながら、その手をとる。グイッと引っ張られると、あっという間に肩を抱かれた。
「お前も俺の肩に手回せ。」
「う、うん。」
あたしは届く範囲で、輝の背に手を回した。
反対側には、あたしをずっと指導してくれた堂本さんがついた。
「とうとう来たぜ全国ツアー!準備はいいか!!」
輝が普段聞かないような大声で叫ぶ。
「おー!!!」
周りのスタッフ、Rの他のメンバーがそれに応える。