[短編]アスタラビスタ
道は空いていたけど病院へは、ちょうど30分かかった。


気が気でなかった。
どうしてそうなったのか、
いま涼はどうしてるのか、


考えてもわかるはずがないのに、何度も同じことを考えてる。


病院の明かりが見えた時は、
胸がギュッと苦しくなった。



「お父さん!早く!」



夜間入口から病院の中へ入った。


入ってすぐに、よく知る顔が二つ…涼のお父さんとお母さん。



「ハルちゃん…っ…」



泣きはらした顔の涼のお母さんは、私の姿を見てさらに泣き崩れた。

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