[短編]アスタラビスタ
「ハルちゃん!」
名前を呼ばれてハッとすると、私達の元に涼の両親が戻って来てくれたところだった。
「ハルちゃん…」
「……」
聞くのが怖かった。
現実を知るのが怖くて視線をそらせた。
「涼、助かったのよ!
重傷だけど命に別状はないって!!」
「……ほんとですか?!」
「えぇ、本当よ!今は眠っているけど、明日には会えるって」
涼のお母さんは、パッと晴れたような笑顔だった。
「…よかったぁ…」
体中の力が抜けて、ヘナヘナとしゃがみ込んだ私。