[短編]アスタラビスタ
しばらくして、看護師さんが涼の両親を呼びに来た。
「先生から説明があります」と。
ロビーでお父さんと二人で待ってる間、すごく長く感じた。
お父さんは何度も「きっと大丈夫だ」と励ましてくれた。
元々、家族ぐるみで仲が良かったから、お父さんにとっても涼のことは人一倍心配なんだろう。
私を励ましながらも、その表情からは不安さが隠しきれていないのがわかる。
…涼はどうなってしまうの?
…私を置いて行かないよね?
…私が涼から離れると決めたからこんなことになったの?
…私がずっとそばにいればよかったの?